町長室から
総務課 : 2014/03/25
平成26年度 町長施政方針より
平成26年第1回三木町議会定例会の開会に当たり、町政運営の所信を申し上げますとともに、平成26年度当初予算の概要についてご説明し、皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
平成26年は、10年ぶりの人口増加という喜ばしいスタートを切りました。
私は、就任以来、「まちづくりは人づくり」を基本理念として、住民にとって分かりやすい行政、住民に身近に感じてもらえる行政、住民の声が反映される行政を念頭に、それまでの町政を全て見直し、スピード感をもってさまざまな課題に取り組み、一定の成果を挙げることができました。
これまでの取組みを温かく支え続けてくださいました皆様に心より感謝申し上げます。
しかしながら、まだやるべきことは多く、新たな課題も出てきております。
昨年9月の町議会定例会において、町民の理解が得られるのであれば引き続き町政を担わせていただきたいという私の思いを表明いたしました。
今後も、住民サービスを低下させることなく、これまでの取組みを進化させ、各般にわたる施策を着実に推進するとともに、将来を見据えた新たな施策や方向性を示し、町民と行政が進むべき方向や目的を共有し、協働の経営という形に向かって進む新たな始まりの年にするべく、全力で取り組む覚悟と決意を改めて強くしているところであります。
今、我が国は、長年続いたデフレ経済から脱却しつつあり、緩やかではありますが景気回復の兆しが見え始めています。
地域経済への波及効果に期待を寄せていますが、一方で、消費税率の引上げによる景気への影響も懸念されており、人口減少、少子高齢社会における持続可能な社会保障制度の確立なども求められております。
そうした中、本町では、人口減少、少子高齢社会に立ち向かうため、日本一子どもを産み育てやすい町をめざして、子育て支援策の充実に力を入れ、定住促進を図るさまざまな取組みを進めているところであります。
新年度からは、結婚のきっかけとなる出会いの機会や情報の提供を行う「結婚支援事業」、産後の家事援助を行う「子育てホームヘルプサービス事業」のほか、学校関係では、新しい安全基準に適合した遊具の整備や氷上放課後児童クラブの施設整備、また、空き家を活用して移住者を受け入れる本町独自の施策立案に向けての調査・研究などにも取り組んでまいります。
また、関係する施策を体系的にして、強力に推進するためのキャッチコピーもつくりました。
「みきを故郷(ふるさと)に えぇんちゃうん!子育て大作戦」
であります。
この旗印の下にさまざまな施策を展開するとともに、町内外に情報発信することにより、三木町に対する良いイメージを持っていただき、定住・移住促進につなげてまいりたいと考えております。
さらに、百眼百考会議の提案事業、南海トラフ巨大地震等に備えるための防災・減災対策、定住促進を図る下水道整備など生活環境の整備、まちづくりを支える人づくりなども大変重要であります。
そして、各種施策を推進していくためには、町民の信頼を得られることが第一であります。
住民本位の、行政らしくない行政を進めるため、人材の育成や職員の意識改革、組織風土改革に、引き続き、取り組んでまいります。
本年10月には、町制施行60周年の節目を迎えます。
多くの先人達が育んできた故郷三木町をさらに飛躍発展させ、心豊かで誰もが誇りを持てる、誰もが住みたくなるような町にしていく、日本一子どもを産み育てやすい町にしていく、そのため、私は、今一度、気持ちを新たにし、全力で取り組んでまいります。
それでは、当初予算案についてであります。
平成26年度の予算編成におきましては、厳しい地域経済と地方財政状況を踏まえつつ、百眼百考会議の提案事業、子育て支援や教育環境の整備・充実、防災拠点施設整備、下水道施設整備、まちづくり推進などの重点事業を始め、町民生活に直結した事業の着実な推進に向けて編成作業に取り組んだところであります。
その結果、平成26年度の一般会計当初予算の総額は、25年度を10・4パーセント、8億3千8百万円上回る88億8千8百万円となっております。
防災緊急避難施設(仮称)建設事業や下水道事業の本格着手に伴う繰出金、対象を中学生までに拡大した子育て医療費助成事業、国の施策である臨時福祉給付金などの政策的経費を除けば、ほぼ横ばいとなっており、引き続き、無駄を省き、効率的な行政運営に努めてまいります。
歳入面におきましては、国の景気対策の効果や税制改正による税収の増加が見込まれるため、町税収入は、前年度対比2・5パーセント増の25億8千7百万円余を見込んでおります。
地方交付税につきましては、国における地方交付税の総額が減額されている中、本町においては、人件費の抑制や地方債残高の削減など行財政改革の取組みに対する加算が見込まれ、前年度と同額の19億円を、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債も同様に3億7千万円を計上しており、財政調整基金からの繰入金8億千5百万円を含めた平成26年度の一般財源総額は、2パーセント増の61億3千万円余と見込んでおります。
歳出面におきましては、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費の総額が前年度対比0.3パーセント増の37億5千5百万円余、防災緊急避難施設(仮称)建設事業など普通建設事業費が6億8千万円余増の12億8千2百万円余となっております。
特別会計につきましては、国民健康保険事業など7つの特別会計で、総額75億6千万円余となっており、水道事業会計につきましては、収益的支出で、5億千6百万円、資本的支出で、2億4千3百万円余を計上しております。
百眼百考会議の提案事業につきましては、「獅子たちの里 三木まんで願。」や町道高野大宮線の拡幅、まんでがんふれあいホームの運営などの継続事業のほか、総合運動公園の施設整備や障がい者支援相談窓口の設置、曇らない道路反射鏡の設置など18事業に、1億3千6百万円余を盛り込んでおります。
次に、平成26年度の主要な施策を、振興計画に沿って御説明申し上げます。
1点目は、「豊かな自然と共生し環境にやさしいまちづくり」についてであります。
循環型社会への転換のため、「リデュース」、「リユース」、「リサイクル」の3R(スリーアール)の取組みを住民や企業と連携・協働して行い、環境にやさしいまちづくりを進めてまいります。
ごみの減量化や環境美化に対する啓発活動として、引き続き、子どもの啓発ポスター募集やボランティア活動への支援を行ってまいります。また、携帯電話やデジタルカメラなどの使用済小型電子機器等の回収、住宅用太陽光発電システム設置費補助も行ってまいります。
上水道事業につきましては、第4次拡張計画に基づき、引き続き、管路の改良・整備を進めるとともに、災害時に備え、優先的に防災拠点等への配水管路を耐震性の高いものに更新してまいります。
水道事業の広域化への対応につきましては、簡易水道事業の上水道事業への統合に向けた準備を進めます。
公共下水道事業および農業集落排水施設整備事業につきましては、三木浄化センター(仮称)の建設工事に着手するほか、管渠(かんきょ)工事を再開し、28年度の供用開始をめざします。
周辺関係団体との協議につきましては、周辺対策協議会における協議と並行して、要望事項等に対する個別協議を進めてまいります。
合併処理浄化槽の設置も引き続き、促進してまいります。
道路整備につきましては、町道砂入荒木線の用地買収、正一鍛冶線の歩道整備、橋りょうの長寿命化事業などに引き続き取り組むとともに、町道高野大宮線の26年度中の全線改良をめざします。
また、町道の舗装、維持補修、危険個所の改良など生活道路の整備につきましても、地域の実情や交通事情を考慮しながら計画的に進めてまいります。
2点目は、「活力にあふれ産業が躍動するまちづくり」についてであります。
農林業の振興につきましては、担い手の減少、遊休農地や耕作放棄地の増加対策として、地域で支える集落営農を推進するとともに、意欲と能力のある認定農業者の育成・確保、新規就農者に対する支援に取り組んでまいります。
農村環境や資源の保全管理および向上対策としましては、新たに創設された日本型直接支払制度を活用して、農業者だけでなく、地域住民を含む活動組織による水路・農道等の補修・維持管理および環境向上活動等を支援してまいります。
田中北部地区のほ場整備事業については、県営予定地区調査に係る事業費の2分の1を負担いたします。
有害鳥獣対策につきましては、箱罠による捕獲をはじめ、侵入防止のための電気柵等の設置への助成を行うほか、地元猟友会と連携して捕獲駆除事業を実施します。
地籍調査につきましては、公共事業の円滑化や災害時の迅速な復旧に加え、土地取引の円滑化や課税の適正化等の効果が期待できますことから、専任の職員を配置し事業に着手します。
商工業の振興につきましては、工場設置奨励措置により、産業の振興および雇用機会の拡大を図ってまいりますとともに、商工会などの自発的・自主的な事業活動を支援し、地域の商工業の活性化に努めます。
観光振興、にぎわいづくりにつきましては、3回目の開催となる「獅子たちの里 三木まんで願。」の地域ブランド化をめざします。
また、「希少糖誕生の町」として、三木町の良いイメージと合わせて、積極的に情報発信してまいります。
3点目は、「人々が支えあい健康でいきいき暮らせるまちづくり」についてであります。
すべての町民が、住み慣れた地域で健やかに、安心して暮らしていけるよう、さまざまな施策を展開してまいります。
各種健診や予防接種、相談事業につきましては、医師会等関係機関との連携協力を図りながら、年代や個人に合わせた取組みを行ってまいります。
高齢者が健康で生き生きとした生活が送れるよう、相談事業や介護予防事業を継続的に実施するほか、新たな取組みとして、これまで窓口配布としていた紙おむつを、自宅に直接届け、介護者の負担を軽減します。
はり、きゅう、マッサージ施術費の助成や家具転倒防止器具の設置を引き続き行います。
また、高齢者の保健福祉サービスの一体的な推進、介護保険の円滑な実施、地域包括ケアシステムの構築などに向けて、「第6期三木町高齢者保健福祉計画」を策定します。
シルバー人材センター事業を通じた就業機会の拡大を図り、高齢者の生きがいづくりを、より一層推進してまいります。
障がい者福祉につきましては、新たに、専門職員を採用し、障がい者支援相談窓口を設置し、きめ細かな支援を行ってまいります。
障がい児の保育支援につきましては、引き続き、保育所での受入れを支援し、発育環境の向上および保護者の負担軽減を図ってまいります。
また、現行の計画が26年度で終了するため、住民の声を反映し、時代に即した、新しい「三木町障がい者プラン」を策定します。
27年度にスタートする子ども・子育て支援制度への取組みにつきましては、質の高い幼児期の学校教育や保育の総合的な提供、地域における多様な子育て支援の充実などを計画的に実施するために「三木町子ども・子育て支援事業計画」を策定します。
4点目は、「人々が助けあう安全・安心なまちづくり」についてであります。
南海トラフ地震や集中豪雨等による洪水、土砂災害に備えるため、防災・減災対策を着実に推進し、災害時の「犠牲者ゼロ」をめざします。
防災緊急避難施設(仮称)の建設につきましては、26年中に着工し、27年度中の完成に向けて着実に整備を進めてまいります。
これに伴い、農村環境改善センターを一部改修し、取り壊す福祉センター利用者の受け皿とします。工事内容としましては、和室から洋室への改修、老朽化した外壁の修繕工事などであります。
ため池の防災・減災対策としましては、大規模ため池3カ所について、香川県が実施する耐震点検調査、整備計画の策定および耐震化整備事業費の4分の1を負担するほか、決壊のおそれがある小規模ため池について、防災対策事業を実施します。
民間住宅の耐震化促進につきましては、耐震診断、耐震改修費用に対する助成を、引き続き行ってまいります。
消防・防災対策につきましては、消防・救急無線をデジタル化し、業務の迅速化、効率化を図るほか、特別警報に対応するための防災行政メールシステムの更新、防災倉庫への移動式かまどの配備など、引き続き、町民の安全・安心への対応を積極的に進めてまいります。
災害時の被害を最小限にとどめるため、「公助」、「自助」、「共助」が適切に役割分担された防災協働社会の実現に向け、引き続き、自主防災組織の組織化、活性化を図ってまいります。
さらに、防災士育成支援事業、自主防災組織リーダー研修会、地域防災リーダー育成セミナー、総合防災訓練、地域防災計画の見直しなどを行い、地域防災力の充実強化や防災民度の向上に努めてまいります。
交通・防犯対策につきましては、高齢者の交通事故増加対策として、シルバードライバー運転卒業応援事業を実施します。
有効期間内の運転免許証を自主的に返納した65歳以上の高齢者に対して、コミュニティバス回数乗車券の配布などの支援を行い、高齢ドライバーの交通事故防止とコミュニティバスの利用促進を図ってまいります。
また、防犯灯のLED化も引き続き行ってまいります。
5点目は、「こころ豊かで文化の香り高いまちづくり」についてであります。
学校施設整備につきましては、全ての小学校の放送設備を緊急放送にも対応した最新のものに更新し、ロッカー改修も引き続き行います。
中学校では、運動場の排水対策工事を行います。
幼稚園に新たに、補助支援員と事務補助員を配置し、教員の業務負担の軽減等を図り、教育活動に集中できる環境を整えます。
放課後児童クラブにつきましては、氷上小学校において4教室を増設します。
これにより、現在、校外に開設している2教室を敷地内に確保できますので、児童および保護者の負担が軽減されます。
国際交流・姉妹都市交流につきましては、引き続き、カナダ・ディズベリー町、北海道七飯町との交流を実施し、ホームステイや教育・文化・スポーツ等における交流を通じ、相互の友好を深めてまいります。
生涯学習、文化芸術の分野につきましては、サンサン館みきや文化交流プラザと連携し、学習環境を整えるほか、喜びや感動、驚きを与えることができるような事業展開を図ってまいります。
社会体育およびスポーツの振興につきましては、スポーツ人口の裾野の拡大や競技力の向上のための施策に積極的に取り組んでまいります。
総合運動公園野球場の外野部分に天然芝を植栽します。
愛着心を持っていただくため、植栽作業は、利用者等のボランティアも入れて行う予定であります。
また、第2サッカー場西側の森林に、アスレチック施設や遊歩道を有する公園を整備します。子どもの体力向上と家族連れなどで自然環境に親しむことのできる特徴ある施設にしたいと考えています。
最後に、「ともに考え行動し自らが参加するまちづくり」についてであります。
隣近所や地域の連帯意識が薄れてきている中、防犯・防災・教育・環境・福祉など、地域が抱える課題の解決には、行政と住民が、それぞれの得意分野を生かしながら協働で取り組んでいくことが必要です。
町民と行政が適切な協力関係で支え合いながら、自主性・主体性を持った地域活動が行える「町民と行政による共助のまちづくり」の実現をめざし、引き続き、まちづくり推進事業に取り組んでまいります。
25年度に行った町民や自治会長、広報委員に対する意識調査を参考に、自治会の活性化や再生、ボランティア活動や芸術・文化・スポーツ活動などを通じた人と人とのつながりを生かした、本町独自の持続可能なまちづくりを進めてまいります。
また、今月、社会福祉協議会を事務局とする三木町ボランティアセンター(仮称)を設立することとしており、災害時はもとより、平時におけるさまざまな活動にも期待しております。
以上が、平成26年度の町政に臨む私の所信および町政の基本方針であります。
私は、ふるさと三木町のため、町民のため、粉骨砕身、全身全霊を捧げて町政運営にあたる覚悟でありますので、皆様のご理解、ご支援をお願いします。



